ロイ飯田の怠惰な考察

そのへんの野良おじさんの日記。音楽、自転車、町並み散策&路上観察、トマソン、歯医者看板、AMラジオ、お笑い&コメディ、ビア(特にエール、IPA)などを語ります。

いとはんと番頭はん 第三話

昭和80年、関西地方のどこか。夏も、もう終わりかけている。
いとはんが番頭はんに見せた水着とは、いったいどんな水着だったのだろうか? そして、何故いとはんは番頭はんに水着を見てもらいたかったのか? 
第一話で番頭はんがマニアックな好みを熱く語ったのに驚き(そんなこと言う人だとは思わなかったらしい)、「変態!」と捨てゼリフを残して走り去ってしまったが、冷静に考えたら眼鏡や白衣こそないものの、番頭はんの語った理想の女性に、自分はかなり近いのではないか、と気付いてしまったいとはん。あれはもしかすると、自分に対しての告白なのか、と考えると気になってしかたがない。しかしそんなことを直接確かめられるようならこんなに悩まない。
かわいい後輩の音音(おとね)たちと海に(勿論女どうしで)海に行くことは決まっていたので、水着は買っておいたのだが、なにしろ何年振りかに新調する水着だったので、自分がカン違い女になってやしないかと、不安もあったのだろう。
その音音は、今年こそ何とかいとはん(音音的には「お姉さま」)とエッチな関係を持ちたい、と思い、いとはんを海に誘ったのだ。勿論泊りがけだ。
そして番頭はんは、いとはんの別の水着を見たいとか、おしとやかないとはんとは違って、はじける魅力のある音音の水着姿をなんとか見る方法はないものか、と画策しはじめる。
各々、心の奥にドス黒い野望(?)を秘めながら、夏は終わりに近づいてゆく。