ロイ飯田の怠惰な考察

そのへんの野良おじさんの日記。音楽、自転車、町並み散策&路上観察、トマソン、歯医者看板、AMラジオ、お笑い&コメディ、ビア(特にエール、IPA)などを語ります。

定禅寺ストリートジャズフェスティバル2001(再掲 2001.9.8-9)

(thu) No.7011
2001年9月に、(^^;)(Aseyowa)が出演するというので、初めて仙台・定禅寺ストリートジャズフェスティバル(SJF)に行った時のリポートを再掲します。ネットからは消えてしまったので。以下本文。
2001.9.8~9 仙台・定禅寺ストリートジャズフェスティバル(SJF)
なにしろ、素敵なイベントである。仙台の街のそこら中(市内42箇所!)に、ステージが設けられてライブをやっているのである。普通、大音量でストリート・ライブなんてやっていると、警察に捕まるのがオチであるが、この2日間はいいのだ。もうそれだけで感動である。みんな音楽好きなんだな。
ジャンルも様々で、スタンダード・ジャズから民族音楽、ポップ、R&B、ロックまでいろいろである。街を歩いていると、100mおきにステージがあるのだ。しかも子供からお年寄りまで、様々な人々が足を止めて見ているのだ。もうそれだけで感動である。
9月8日の朝の10時頃から、各々のステージで準備を始める。まずは市民会館近くのDUO定禅寺前に「和知忠人&西田中スーパーセッションズ」の準備を見に行く。ここのメンバーはリーダーの和知さんが日立、、ドラムの近藤さんが御殿場、ベースの藤間さんが新潟の栃尾から集まっているのだ。それに加えて、今回岩手からえんさん(keys)が参加。搬入を手伝ってから、その辺をぶらぶらする。
民族楽器を使ったフリー演奏や、アルプ(南米のハープ)の演奏なども聞いた。人が集まるのはやっぱりこういう珍しくて質の高い演奏を聞かせるところだ。

14:30。(^^;)の坂本助教授&マディーな水の両氏に合う。4人になった「和知忠人&西田中スーパーセッションズ」の本番を見る。ベースアンプの状態が悪く、音が時々出なくなる。借りた楽器に文句いうのもアレだが、これはちょっと辛かった。後半はなんとか持ち直しましたが。和知君、道を行く人たちにも声かけまくってました。でもみんな楽しんでましたよ。なんだかんだで止まって見ている人は70人くらいでしょうか。

で、終わってからすぐ走って市役所噴水前に急ぐ。「カウンターパーツ」の演奏を聞くためだ。もう演奏が始まっている。

会場に近付くにつれて、だんだん音がはっきり聞こえてくる。かなり大きな音を出しているようだ。いたいた。けっこう人が集まっている。こちらも70人くらいだろうか。楽器を全て持ち込んでいるのもあり、こちらは物凄くいい音である。タイトなプレイに皆感心していました。
再びDUO定禅寺前に戻る。出番の終わった和知君が司会をやっていた。こういうのはこの会場くらいです。対バンどうし協力しあっていて、たいへん結構です。
またぶらぶらする。それほど暑くはないのだが、朝から歩き回っているので汗だくである。銭湯を見つけたので、入る。ちょうどいい時間になったので、 「livehouse enn」に向かう。ストリートライブは18時くらいまでなので、それであきたらない連中が集まっているのだ。「カウンターパーツ」を途中からしか見られなかったし、じっくり見たいというのもあったのだ。
「livehouse enn」に入ると、(^^;)の坂本助教授&マディーな水の両氏に加え、J.J.Bonham氏と3人の旧友、T井氏とも合流。19時くらいにennに着いたのだが、カウンパの出番が21:30頃だと聞いてちょっと脱力。しかし、その想いはいい意味で裏切られることになるのだ。
カウンパの前に出ていた4バンドが(最初のDance with もも仙人が終わってからennに入ったので)、皆物凄く面白いのである。最初はカリフラワーズ、Apolo Choco Theaterとファンク2連発。クラシック・ソウルのカヴァーが多いが、演奏もうまく、エンターティナーなのだ。そして今夜の大収穫、デルタ兄弟。トラッド・ブルーズのバンドなのだが、これまたエンターティナーなのだ。ぶっちゃけて言ってしまえばブルーズ・ブラザーズなのだが、そこにうまく日本的、アジア的解釈が入っていて実に見事なのだ。リードシンガーの応援団のような指揮ぶりに笑いっぱなしである。次はTK & The Blues Buster。台湾のマフィアのようなデルタ兄弟に比べると、長身でいい男のリードシンガーを始め、こちらはスタイリッシュだ。2つのバンドのベーシストとも、いい意味で古臭い音を出していたのに好感が持てた。

22時も過ぎて、やっとカウンターパーツの出番だ。ノリのいいバンドが続く中、ここの客にはカウンパはどうかな?とも思ったんですが、そこはさすがです。タイトな演奏、予想のつかない展開でみんな感心して見ていました。実はカウンパ目当ての客も多かったようですし。終わって、(^^;)の3人と照井さんと居酒屋に。ここで、密談が...

9日の朝です。(^^;)のライブの準備もあるので、会場となる三越前の会場に入る。道すがら、ハワイアンバンドがセッティングをしていて、なかなかいい感じである。三越前のステージは商店街のド真ん中!ロケーションとしてはバッチリである。J.J.さんはけっこう大がかりなセットを用意している。ちなみにこんな感じだ。

一番目のバンドが始まり、(^^;)の出番が近付く。本番前に和知君、藤間君も到着。藤間君はビデオカメラを回している。和知君は何やら歌詞をメモしている。何をするつもりなのだ? もっと大がかりなビデオカメラも来た。東北放送の取材である。東北放送さんはラジオの方でも(^^;)を紹介してくれたり、音楽の紹介に積極的です。偉い!関東で見聞きできないのがたいへん残念ですが。余談ではありますが、地元のFM局はジャズフェスの生中継をしていて、移動中でも演奏を楽しめるのだ。
(^^;)の本番である。打ち込みが聞きづらく、ちょっとやりにくそうではあるが、マディーさんの美声に誘われて、人がどんどん集まってきた。2曲目「帰りみち 夕方みち」では和知君が(言葉通り)乱入!ハモってました。5,6曲目「ああ言えばこう言う」と「体力作り」では俺もベースで参加。実は、昨日の密談で参加を決定して、朝早起きして練習したのだ。しかーし、一夜づけとはやはりうまくはいかないもので、「ああ言えばこう言う」で「ソロ弾いていいよ」と言われてたのに、本番に入ったらすっかり忘れてました(~~)。


終わって、急いで撤収。Wild Around Shuffleのライブを観に行く計画だったのだが、気がついたのはWild Around Shuffleの出番が終わってからだったのだ。残念!デルタ兄弟もやっているはずなのだが、体が二つないのが悔しい。
18時頃、三越前の会場に戻り、テントやPA機材の撤収を手伝う。スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
いや~しかし、こうやって見て回って思ったのは、日本も捨てたもんじゃないな。チャートに出てくる歌にはうんざりしていて、日本の音楽産業にいやけがさしていた俺でしたが、売れる、売れないは関係なく、いい音楽をやっている人はたくさんいるんだな、と思うと嬉しくなります。
何度も言うようだが、本当に素晴らしい音楽祭である。もうそれだけで感動である。欧米ではこういった、街をあげての音楽祭(ニュー・オリンズのマーティグラとか、パリ祭とかね)はあるが、日本では仙台くらいなのではないか?仙台は治安がいいし(東京でこんなことやったら、楽器とか盗まれかねないしね)、街行く人々に世知辛いところがないし、何がいいって、商売根性というのがほとんどない、というのがいい。関東あたりでこういうことをやると、なーんか商売根性になっちゃうしなあ(芸能人とかが出てきたりしてさ、あーいやだ)。
ただ、参加グループが590というのは多すぎないか?いい演奏も聞けたが、はっきり言って聞くに耐えないようなものもあったのも事実だ。オーディションとかしたほうがいいのではないかとも思うのだが。
来年は参加するぞ。