前作「ラジオの鉄人 毒蝮三太夫」から13年後。その間に日本は元気がなくなり、マムシさんも立派な年寄りになり「長生きしろよ」から「一緒に長生きしような」となるが、立派な話芸といえるトークは相変わらず。客の容姿や雰囲気に対してのとんでもない例え、予期せぬ事態への素晴らしい対応、日野原先生、大沢悠里、立川談志とのエピソードなども良い。
この本ではないけど、マムシさんのエピソードで義手の方に握手を求められ「爪がのびなくていいな」とか、白血病の人に「でも赤い服着てるじゃないか」など、プロの喋り手でさえ絶句しそうなところを冗談で返すところが素晴らしいと思う。