ロイ飯田の怠惰な考察

そのへんの野良おじさんの日記。音楽、自転車、町並み散策&路上観察、トマソン、歯医者看板、AMラジオ、お笑い&コメディ、ビア(特にエール、IPA)などを語ります。

EVH氏逝く

(wed) No.5931

エディ・ヴァン・ヘイレン大先生が亡くなった。自分が言うまでもなく、新しいハードロックや楽器の価値観を作った方だ。
奏法の価値観を変えた → ライトハンド奏法に代表されるタッピング、ブルースともジャズとも違う独特のスケーリング。
楽器の価値観を変えた → そしてあの「フランケン」(画像)に代表されるギター。高価なヴィンテージギターが良い、とされていた時代、あんなきったねえギターで、しかもめちゃくちゃ上手いときてる。衝撃的だったね。ギターの見た目で言えば、布袋寅泰スティーヴ・ヴァイも影響受けているはずだ。
別のベクトルで楽器の価値観を変えたのがパンクで、こちらはリッチなトーンやロング・サスティーンが必要無いものだから、不人気な中古ギター&ベースが再評価された。ラモーンズのモズライト、ダムドのミュージック・マスター・ベースなど。でもエディのギターはきったなくても良い材料とパーツを使って、良いトーンを出す様にしていたのが違うのだけど。
表情の価値観を変えた → 苦悶の表情で「泣きのギター」(エリック・クラプトン、マイケル・シェンカー、ゲイリー・ムーアなど)と対極を行く笑顔!ロックで!
そしてちょっとした他民族バンドだった。アメリカンロックの典型を作ったバンドだが、典型的な英国系アメリカ人(≒WASP)は一人も居なくて、ヴァン・ヘイレン(オランダ読みだとファン・ハーレン)兄弟はオランダ白人とアジア系のハーフ、ベースのマイケル・アンソニーは東欧からの移民、ボーカルのデイヴィッド・リー・ロスはユダヤ人移民の子孫らしい。音楽やっていなければ会う事も無かったかもしれない。色々な人が集まり、一つの曲を作る尊さよ。バンドって良いなあ。
小生はリアルタイムだと『戒厳令 Fair Warning』 、『ダイヴァー・ダウン』あたりから聴き始めて、そして名盤『1984』が出るわけですよ。
ロック界は偉大なイノベーターを失った。
沢山のミュージシャンからの追悼コメントも美しい。