みうらじゅん・伊集院光・共著
図書館で見つけたので、今頃読んでみる。「D.T.」とは造語で、「大人になっても童貞心が抜けない男」といった意味なのだが、読んでみると俺も「D.T.」の条件にあてはまることばっかりだ。身体的なコンプレックスもなく*1、決してモテなかったわけではないし*2、女性とつきあったことがないわけでもないけど、俺の場合、消去法で考えても「D.T.」の対極にある「ヤリチン」でも「ガハハ」でも絶対ない。37にもなってまだエロい妄想ができるのも「D.T.」の証拠だし、クラブ、キャバクラ、フィリピンパブに行くより*3、男どうしで音楽の話や自転車や旅の話をしているほうがいい。好きな女性と一緒にいるのはいいけど、不特定多数のネエチャンには興味がないし、別に話すこともないし、楽しくもないし。
でもこれからの時代、人口に対する「D.T.」の比率は高まってくると思うし*4、モノを作る人*5、特に音楽やってる奴なんて「D.T.」じゃなければだめだと思う。
本の中で、どういう映画が「D.T.」か、などの記述もあるが、それはポップ・ミユージックにもあてはまる。例外的に、ソウル、ブルース系は「ガハハ」もありだとは思うけど。B.B.KingやJames Brownは「ガハハ」だし、Ian Duryあたり(本人より、その歌世界)もそうか。プログレは「D.T.」だと思うし、Bruce Springsteen、John Mellencamp、Jackson Browneあたりもどっちかというと「D.T.」のほうだ。Def Leppardは「D.T.」の部分があるから好きで、モトリー・クルーやガンズ・アンド・ローゼズは「ガハハ」な感じがするから嫌いなのかもしれない。The Rolling Stonesは「D.T.」から「ガハハ」に転身した例だろう*6。
ガハハオヤジになるくらいだったら*7、D.T.オヤジのほうがまだいいや。
*1:ちんこがあまり立派とはいえないくらいで
*2:だからといって、別にモテモテだったこともないが
*3:つーか、人のおごりでも行かないけどね。金と時間のムダだし、何もいいことないもの
*4:「ヤリチン」はなくならないが、もう「ガハハ」の時代はバブルとともに終わっているはずだ。ビル・ゲイツや堀江社長は「ガハハ」には見えないし
*5:ところが、不思議とお笑いは「ガハハ」が多い、というか、「ガハハ」を目指す傾向がある。俺の尊敬するドリフなんて、ガハハお笑いタレントの典型だもんな
*6:KeithとMickはもともと「D.T.」だが、最初から「ガハハ」なBrianに影響されたり、金持ちになって「ガハハ」になったようだ
*7:ガハハの条件として、金持ってるってのもあるから、なれないけど