古のメカニズム、ロスト・テクノロジーには魅力を感じる。自分でそれを使いこなそうとまでは思わないが。
イベント用とはいえ、全国のローカル線で走らせている蒸気機関車が未だに人気だったりするのもロスト・テクノロジー的魅力を人々が感じるからなのだろう。
何でも電子制御になってしまった現代において、アナログなメカだけで仕事をこなす機械は美しく、魅力的だ。タイプライター(英文タイプもいいが、やはり素晴らしいのは和文タイプ機)、機械式計算機、テレックス等...自分が子供の頃の親父の会社の事務所には、まだこのようなものがあった。
ただ、たいていの物はでかくて高くて、壊れやすいし、使いづらかったりするので今、実際に使いたいとまでは思わないのだが。
自転車のイベントなどでよくお会いするオーストラリア人のフィリップさんという人がいる。
1900年代のレプリカの、前輪が48〜52インチのオーディナリー(=ダルマ自転車=大きな前輪を、子供の三輪車のように直接駆動する)や、1970年代のツノダ・スカイランサー(いわゆる、スーパーカー自転車)をお持ちの方だ。これらのロスト・テクノロジー自転車(レトロ自転車とは似て非なるもの)に乗っているフィリップさんを見て、大概の人は「変な外人」と思うだけろうけど、俺はフィリップさんの気持ちはよくわかる。置き場所さえあれば、オーディナリーは欲しい。スーパーカー自転車は面白いとは思うけど、欲しいとは思わないが。
オーストラリア白人の先祖である、イギリス人は蒸気自動車のクラブがあったり、アンティークやロスト・テクノロジーが大好き、という土壌もあるのかもしれない。
うちにあるロスト・テクノロジーといえば、レコード・プレーヤーくらいだろうか。MD8*1は現役なので、ロスト・テクノロジーとは言われたくないけど。
*1:Data MDを使ったマルチ・トラック・レコーダー。今はハードディスクを使ったタイプが殆ど